勤務間インターバル制度とは?
勤務間インターバル制度とは、勤務終了後、次の勤務が始まるまでに、一定時間以上の休息時間を確保する制度です。
たとえば、夜遅くまで働いた翌日に、すぐ早朝から勤務を始めると、睡眠時間や生活時間を十分に確保しにくくなります。勤務間インターバル制度は、終業から次の始業までの間に休息時間を置くことで、労働者の健康確保や過重労働の防止につなげる制度です。
就労条件総合調査では、この勤務間インターバル制度について、導入状況や導入予定、導入していない理由などが調査項目として扱われることがあります。
結論|終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する制度
勤務間インターバル制度の基本は、前日の勤務終了時刻から、翌日の勤務開始時刻までの間に、一定の休息時間を確保することです。
ここでいう「インターバル」は、仕事と仕事の間に置く休息時間を意味します。
| 見るポイント | 意味 |
|---|---|
| 終業時刻 | その日の勤務が終わった時刻 |
| 次の始業時刻 | 次の勤務が始まる時刻 |
| インターバル時間 | 終業から次の始業までの休息時間 |
さくらもち【もちの一言】
勤務間インターバル制度は、「何時まで働いたか」だけでなく、「次の勤務までにどれくらい休めたか」を見る制度です。労働時間そのものではなく、勤務と勤務の間に注目する点が特徴です。
勤務間インターバル制度の目的
勤務間インターバル制度の目的は、労働者の生活時間や睡眠時間を確保し、健康保持や過重労働の防止につなげることです。
長時間労働が続くと、勤務と勤務の間の休息時間が短くなり、十分な睡眠や生活時間を確保しにくくなります。勤務間インターバル制度は、この点に着目した制度です。
- 睡眠時間を確保しやすくする
- 生活時間を確保しやすくする
- 過重労働を防ぎやすくする
- 長時間労働の見直しにつなげる
- 勤務シフトや始業時刻の調整を考えるきっかけにする
そのため、勤務間インターバル制度は、単なる休暇制度ではなく、労働時間管理や健康確保と関係する制度として整理できます。
勤務間インターバル制度は義務なのか
勤務間インターバル制度は、2019年4月から、事業主による導入が努力義務とされています。
ここでいう努力義務とは、必ず導入しなければならない義務とは異なります。ただし、労働者の健康確保や長時間労働の見直しの観点から、導入に向けた取組が期待されている制度です。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 義務 | 法令上、必ず行わなければならないもの |
| 努力義務 | 実施に向けて努めることが求められるもの |
社労士試験や統計記事で読むときは、「勤務間インターバル制度=努力義務」という整理をまず押さえると分かりやすくなります。



【試験メモ】
勤務間インターバル制度は、「導入が努力義務」とされている点が重要です。「全企業に一律で義務付けられている制度」と混同しないようにしましょう。
何時間のインターバルを置く必要があるのか
勤務間インターバル制度では、終業から次の始業までに一定時間以上の休息時間を確保します。
ただし、日本の法令上、すべての企業に一律のインターバル時間数が定められているわけではありません。
実際の制度設計では、会社ごとに、業務内容、勤務形態、シフト、労働時間管理の実態などを踏まえて、インターバル時間を設定します。
| 設計するときの観点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 対象者 | 全労働者に適用するのか、一部職種に適用するのか |
| 時間数 | 何時間以上の休息時間を確保するのか |
| 対応方法 | 翌日の始業時刻を繰り下げるのか、勤務調整するのか |
| 例外 | 緊急対応や交替制勤務などをどう扱うのか |
そのため、統計や制度解説を読むときも、「導入しているかどうか」だけでなく、どのような時間数で、どのように運用しているかを見ることが大切です。
勤務間インターバル制度と時間外労働の関係
勤務間インターバル制度は、時間外労働そのものを直接禁止する制度ではありません。
ただし、終業から次の始業までに一定の休息時間を確保するためには、長時間労働や深夜までの残業が続く働き方を見直す必要があります。
たとえば、前日の勤務が遅く終わった場合、次の日の始業時刻を繰り下げる、勤務シフトを調整する、業務量を見直す、といった運用が考えられます。
つまり、勤務間インターバル制度は、時間外労働の削減や労働時間管理とあわせて考える制度です。



【実務メモ】
勤務間インターバル制度は、就業規則に書くだけでは運用できません。実際には、残業管理、シフト作成、翌日の始業時刻の調整、緊急対応時の扱いなどをあわせて設計する必要があります。
勤務間インターバル制度と年次有給休暇・休日の違い
勤務間インターバル制度は、年次有給休暇や休日とは別の考え方です。
年次有給休暇は、労働義務のある日に休暇を取得する制度です。休日は、そもそも労働義務のない日として扱われます。一方、勤務間インターバル制度は、勤務と勤務の間に一定の休息時間を確保する制度です。
| 制度・用語 | 見るポイント |
|---|---|
| 年次有給休暇 | 労働義務のある日に、賃金を受けながら休む制度 |
| 休日 | 労働義務のない日 |
| 勤務間インターバル制度 | 終業から次の始業までの休息時間を確保する制度 |
このように、勤務間インターバル制度は「休む日」ではなく、「勤務と勤務の間の時間」に注目する制度です。
就労条件総合調査ではどう読むか
就労条件総合調査では、勤務間インターバル制度について、導入している企業の割合、導入予定または検討中の企業の割合、導入予定がない企業の割合などが示されることがあります。
この統計を読むときは、次の点を分けると整理しやすくなります。
| 見る項目 | 読み方 |
|---|---|
| 導入している企業割合 | すでに勤務間インターバル制度を導入している企業の割合 |
| 導入予定・検討中の割合 | 今後導入を予定または検討している企業の割合 |
| 導入予定がない割合 | 現時点では導入を予定していない企業の割合 |
| 導入していない理由 | 制度導入が進まない背景を見るための項目 |
勤務間インターバル制度は努力義務とされているため、統計を見るときは、制度の導入状況だけでなく、なぜ導入されていないのか、どのような理由が多いのかも確認すると理解しやすくなります。



【読み解きメモ】
勤務間インターバル制度の統計では、「導入しているか」だけでなく、「予定または検討しているか」「予定がない理由は何か」も重要です。制度の普及状況を読む統計として見ると、理解しやすくなります。
社労士試験で押さえたいポイント
- 勤務間インターバル制度は、終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する制度である
- 2019年4月から、導入が事業主の努力義務とされている
- 全企業に一律の時間数が義務付けられている制度ではない
- 年次有給休暇や休日とは異なり、勤務と勤務の間の時間に注目する制度である
- 長時間労働の見直しや健康確保と関係する制度である
- 就労条件総合調査では、導入状況、導入予定、導入していない理由を分けて読む
実務で見るときの注意点
- インターバル時間を何時間にするか
- 対象者を全労働者にするか、一部職種にするか
- 交替制勤務や夜勤をどう扱うか
- 緊急対応や例外的な勤務をどう扱うか
- 翌日の始業時刻を繰り下げる場合の賃金処理をどうするか
- 就業規則や勤務シフトにどのように反映するか
- 管理職、裁量労働制、フレックスタイム制などとの関係をどう整理するか
- 制度導入後に実際に休息時間が確保されているか
勤務間インターバル制度は、制度名だけを導入しても十分ではありません。実際に休息時間が確保されるよう、勤務実態に合わせた運用設計が必要です。
関連する年度記事とあわせて読む
勤務間インターバル制度の導入状況や、導入予定がない理由は、年度記事で確認できます。制度の意味を整理したうえで統計結果を見ると、導入割合や未導入理由を読みやすくなります。
- 令和7年版 就労条件総合調査で勤務間インターバル制度の導入状況を見る
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