賞与算定基礎と諸手当の関係|基本給・手当を賞与に含めるかを解説

賞与を表すイラスト

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目次

賞与算定基礎と諸手当の関係

賞与算定基礎とは、賞与を計算するときに、どの賃金項目を基礎にするかという考え方です。

たとえば、賞与を「基本給の○か月分」とする場合、基本給を賞与算定基礎にしているといえます。一方で、基本給だけでなく、役付手当や資格手当など一部の諸手当を含めて賞与を計算する会社もあります。

この記事では、賞与算定基礎と諸手当の関係について、基本給、諸手当、所定内賃金、賃金規程、就労条件総合調査の読み方を整理します。

結論|諸手当を賞与算定基礎に含めるかは、会社の規程設計による

賞与算定基礎に諸手当を含めるかどうかは、一律に決まるものではありません。

会社の賃金規程や賞与規程で、賞与の計算方法がどのように定められているかによって異なります。

賞与算定基礎の例考え方
基本給のみ賞与を基本給を基準に計算する
基本給+一部手当役付手当や資格手当など、一部の手当を含める
所定内賃金基本給と一定の諸手当を含めた所定内賃金を基準にする
個別評価・業績連動基本給や手当だけでなく、評価や会社業績を反映する

重要なのは、「賞与算定基礎に含めるかどうか」と、「その手当が賃金に当たるかどうか」は同じ話ではないという点です。

さくらもち

【もちの一言】
賞与算定基礎は、会社ごとの規程設計で差が出やすい部分です。「この手当は賞与に必ず入る」「必ず入らない」と決めつけず、賃金規程や賞与規程を確認することが大切です。

賞与算定基礎とは何か

賞与算定基礎とは、賞与額を計算するときに基準とする賃金項目のことです。

たとえば、次のような計算方法が考えられます。

  • 基本給 × 支給月数
  • 基本給+役付手当を基礎にして支給月数を掛ける
  • 所定内賃金を基礎にして支給月数を掛ける
  • 基本給を基礎に、勤務成績や会社業績を反映する

賞与は、毎月の賃金とは異なり、支給時期や支給額、算定方法が会社ごとに異なりやすい部分です。そのため、賞与算定基礎を確認するときは、賃金規程、賞与規程、労働契約、就業規則の定めを見る必要があります。

基本給だけを賞与算定基礎にする場合

賞与を「基本給の○か月分」として計算する場合、基本給だけを賞与算定基礎にしているといえます。

この場合、役付手当、家族手当、通勤手当、住宅手当などの諸手当は、賞与計算の基礎には含めない設計になります。

ただし、基本給だけを賞与算定基礎にする場合でも、賃金規程上どのように定めているかを明確にしておくことが重要です。

例賞与算定基礎特徴
基本給30万円、賞与2か月分基本給30万円諸手当を含めず、基本給だけで計算
さくらもち

【試験メモ】
賞与は「基本給の○か月分」と表現されることがありますが、実務上は必ず賃金規程や賞与規程の定めを確認します。基本給だけを基礎にするのか、手当を含めるのかで賞与額は変わります。

基本給と諸手当を賞与算定基礎にする場合

会社によっては、基本給だけでなく、一部の諸手当を賞与算定基礎に含めることがあります。

たとえば、役職や職務に関連する役付手当、職務手当、資格手当などを賞与算定基礎に含める設計が考えられます。

含める可能性がある手当の例考え方
役付手当役職や責任の重さを賞与にも反映する場合
職務手当職務内容に応じた処遇を賞与にも反映する場合
資格手当資格や専門性を賞与にも反映する場合

このように、賞与算定基礎にどの手当を含めるかは、会社の賃金制度の考え方によって変わります。

そのため、賞与算定基礎を定める場合は、「どの手当を含めるのか」「どの手当を含めないのか」を明確にしておくことが重要です。

諸手当を賞与算定基礎から除外する場合

一方で、賞与算定基礎を基本給だけに限定し、諸手当を含めない設計もあります。

たとえば、通勤手当、家族手当、住宅手当などは、生活関連や実費補填に近い性格を持つことがあるため、賞与算定基礎から除外する設計が考えられます。

ただし、除外する場合も、就業規則や賃金規程で明確にしておくことが大切です。規程があいまいだと、賞与額の計算や説明の場面でトラブルになりやすくなります。

除外されやすい手当の例注意点
通勤手当実費補填的な性格がある場合がある
家族手当・扶養手当生活関連手当として賞与基礎から外す設計もある
住宅手当住宅費補助として賞与基礎から外す設計もある
さくらもち

【実務メモ】
諸手当を賞与算定基礎から除外すること自体よりも、「どの手当を除外するのか」が明確になっているかが重要です。規程に書かれていない運用を続けると、説明が難しくなることがあります。

割増賃金の算定基礎との違い

賞与算定基礎と混同しやすいものに、割増賃金の算定基礎があります。

割増賃金の算定基礎は、時間外労働、休日労働、深夜労働の割増賃金を計算するときに使う基礎賃金です。

一方、賞与算定基礎は、賞与額を計算するときに会社がどの賃金項目を基礎にするかという話です。

区分何を計算するか注意点
割増賃金の算定基礎残業代などの割増賃金労働基準法上の扱いを確認する
賞与算定基礎賞与額賃金規程や賞与規程の定めを確認する

たとえば、ある手当が割増賃金の算定基礎に含まれるかどうかと、賞与算定基礎に含まれるかどうかは、別に確認する必要があります。

「割増賃金の算定基礎から除外できるから、賞与算定基礎にも当然入らない」とは限りません。逆に、「賞与算定基礎に含めないから、割増賃金の算定基礎にも含めなくてよい」とも限りません。

さくらもち

【読み解きメモ】
賞与算定基礎と割増賃金の算定基礎は、似た言葉ですが目的が違います。賞与の計算の話なのか、残業代の計算の話なのかを分けて読むことが大切です。

所定内賃金・諸手当との関係

賞与算定基礎を考えるときは、所定内賃金や諸手当との関係も整理しておくと理解しやすくなります。

所定内賃金は、毎月きまって支給される賃金のうち、所定外賃金を除いたものとして整理されます。基本給や一定の諸手当が含まれることがあります。

しかし、所定内賃金に含まれる手当が、必ず賞与算定基礎にも含まれるとは限りません。賞与算定基礎は、会社の賃金規程や賞与規程でどのように定めているかを確認します。

用語見るポイント
基本給賞与算定基礎の中心になりやすい
諸手当賞与算定基礎に含めるかは規程による
所定内賃金基本給と一定の諸手当を含む賃金として見る
賞与算定基礎賞与を計算するときに基準とする賃金項目

統計記事では所定内賃金や諸手当の割合を読み、実務では賞与規程で賞与算定基礎を確認する、というように分けて見ると整理しやすくなります。

就労条件総合調査ではどう読むか

就労条件総合調査では、所定内賃金に占める基本給や諸手当の割合、諸手当の種類別支給割合などが示されることがあります。

ただし、就労条件総合調査で諸手当の支給状況が分かっても、それだけで「その手当が賞与算定基礎に含まれるか」までは分かりません。

統計上の諸手当は、企業がどのような手当を支給しているかを見るための分類です。一方、賞与算定基礎は、会社ごとの賃金規程や賞与規程で定める賞与計算の基礎です。

見る項目読み方
諸手当の支給割合どの手当を支給する企業が多いかを見る
所定内賃金に占める諸手当の割合賃金の中で手当部分がどの程度あるかを見る
賞与算定基礎賞与計算にどの賃金項目を含めるかを見る
賃金規程・賞与規程実際の計算方法を確認する
さくらもち

【読み解きメモ】
統計で「諸手当の支給割合」が分かっても、その手当が賞与算定基礎に含まれるかどうかまでは分かりません。統計は支給状況を見るもの、賞与算定基礎は会社ごとの規程を見るもの、と分けて考えましょう。

社労士試験で押さえたいポイント

  • 賞与算定基礎は、賞与を計算するときに基準とする賃金項目である
  • 基本給のみを賞与算定基礎にする場合がある
  • 基本給に一部の諸手当を加えて賞与算定基礎にする場合もある
  • 諸手当を賞与算定基礎に含めるかどうかは、会社の賃金規程や賞与規程による
  • 賞与算定基礎と割増賃金の算定基礎は別に整理する
  • 所定内賃金に含まれる手当が、必ず賞与算定基礎に含まれるとは限らない
  • 統計上の諸手当の支給状況と、賞与算定基礎の扱いを混同しない

実務で見るときの注意点

  • 賞与の支給対象者が明確か
  • 賞与算定期間が定められているか
  • 賞与算定基礎に含める賃金項目が明確か
  • 基本給のみを基礎にするのか、一部手当を含めるのか
  • 除外する手当が明確に書かれているか
  • 人事評価や会社業績をどのように反映するか
  • 休職、欠勤、育休、退職予定者などの扱いが明確か
  • 同一労働同一賃金の観点から説明できるか
  • 過去の運用と規程の内容がずれていないか

賞与算定基礎は、金額に直接影響するため、規程のあいまいさがトラブルにつながりやすい部分です。基本給、諸手当、評価、在籍要件、支給日在籍要件などを分けて確認することが大切です。

さくらもち

【実務メモ】
賞与規程では、「賞与を支給することがある」という表現だけでなく、算定期間、支給対象、算定基礎、評価反映、欠勤控除、支給日在籍要件などを確認します。とくに、どの手当を賞与算定基礎に含めるかは明確にしておきたい部分です。

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賞与算定基礎と諸手当の関係を整理しておくと、就労条件総合調査で所定内賃金、基本給、諸手当の割合を読むときに理解しやすくなります。

出典・関連資料

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