| 調査項目 | 企業調査: 正社員・正職員の男女比率と職種構成 新規学卒者の採用状況と男女別傾向 女性管理職の概要 ハラスメント対策の取組状況 ハラスメント事案の対応状況 望ましい取組への対応状況 |
| 元資料上の項目名 | 企業調査: 職種別正社員・正職員の状況 正社員・正職員の採用状況 管理職等について ハラスメントを防止するための対策の取組の有無 ハラスメントに関する事案への対応状況 ハラスメントに関する望ましい取組への取組状況 |
| 出典調査名 | 令和7年度雇用均等基本調査 |
| 統計対象時期 | 令和7年10月1日現在 |
| 行政庁公表日 | 令和8年7月31日 |
| もちのつぶやき記事公開日 | 令和8年10月26日 |
| もちのつぶやき最終更新日 | 令和8年10月26日 |
| 更新性質 | 毎年確認 |
※この記事では、上記の統計対象時期に公表されたデータを扱っています。
最新の掲載状況は「調査項目別 最新掲載一覧」をご確認ください。
令和7年度雇用均等基本調査の概要

令和7年度「雇用均等基本調査」は、厚生労働省が実施している一般統計調査で、企業における男女の雇用管理の実態を把握することを目的としています。
今回の記事では、企業調査のうち、正社員・正職員の男女比率、職種構成、新規学卒者の採用状況、女性管理職、ハラスメント対策などを中心に見ていきます。
企業調査の対象は、常用労働者10人以上を雇用する民営企業で、令和7年度調査では調査対象数6,000企業、有効回答数3,077企業、有効回答率51.3%でした。事業所調査とは対象が異なるため、育児休業取得率などの事業所調査項目とは分けて読む必要があります。
さくらもちこのページでは、雇用均等基本調査のうち「企業調査」を中心に見ています。
企業調査と事業所調査では対象が違うので、制度あり割合や取得率と混同しないように読むのがポイントです。関連する統計の読み方は、企業調査と事業所調査の違いでも解説しています。
正社員・正職員の男女比率と職種構成
正社員・正職員に占める女性割合
令和7年度調査では、正社員・正職員に占める女性の割合は28.6%でした。前回調査の27.6%から、1.0ポイント上昇しています。
職種別に見ると、女性割合は、総合職23.8%、限定総合職36.3%、一般職33.6%、その他22.8%となっています。


女性の職種構成では総合職が最多に
女性の正社員・正職員に占める各職種の割合を見ると、総合職が41.0%と最も高く、次いで一般職40.1%、限定総合職14.8%の順となっています。
平成28年度に調査事項へ加わって以降、女性は一般職の割合が最も高い状態が続いていましたが、今回の調査では初めて総合職の割合が一般職の割合を上回りました。





なるほどポイント:男女比率と職種構成は分母が違います
女性割合28.6%は、正社員・正職員全体に占める女性の割合です。
一方で、総合職41.0%、一般職40.1%という数値は、女性の正社員・正職員の中での職種構成です。
同じ「割合」でも、何を100%としているかを確認すると読みやすくなります。
新規学卒者の採用状況と男女別傾向
新規学卒者を採用した企業割合
令和7年春卒業の新規学卒者を採用した企業割合は、20.8%でした。前回調査の20.6%から、0.2ポイント上昇しています。


採用区分別の採用状況
採用した企業について採用区分ごとに見ると、総合職では「男女とも採用」が48.1%と最も高く、次いで「男性のみ採用」が34.2%となっています。
限定総合職では「男性のみ採用」が38.6%、一般職でも「男性のみ採用」が36.8%と最も高くなっています。


女性を採用した企業割合
新規学卒者の採用を行った企業を規模別に見ると、企業規模が大きいほど女性を採用した企業割合が高い傾向にあり、5,000人以上規模では100.0%、1,000〜4,999人規模では97.6%となっています。





ここでいう「女性を採用した企業」は、1人でも女性を採用していれば該当します。
企業規模が大きいほど該当しやすくなるため、採用者全体に占める女性割合とは分けて読む必要があります。



法令メモ
採用区分ごとに「男性のみ採用」となる結果が示されていても、それだけで直ちに法令違反かどうかを判断するものではありません。
統計上の採用結果と、性別による採用制限の可否は分けて読むことが大切です。
過年度調査で扱われた関連項目:男性のみ採用の理由
【過年度調査で扱われた関連項目】
令和6年度調査では、「男性のみ採用の理由」についても扱われていました。令和7年度の結果概要では同じ項目は確認できないため、本記事では令和7年度結果として公表されている採用状況を中心に整理します。
女性管理職の状況
令和7年度調査では、課長相当職以上の女性管理職を有する企業割合は54.1%でした。
一方、管理職等に占める女性の割合を見ると、課長相当職以上では13.8%となっています。





なるほどポイント:女性管理職の指標は分母を分けて読む
「女性管理職を有する企業割合」は、女性管理職がいる企業の割合です。
一方、「管理職等に占める女性割合」は、管理職等の人数構成を見ています。
同じ女性管理職に関する統計でも、分母が異なります。
【女性管理職・昇進を詳しく見る】
役職別の女性割合、女性昇進者がいた企業割合、昇進者に占める女性割合、産業別の状況は、女性管理職・昇進を主題とした記事で整理しています。
ハラスメント防止対策に取り組んでいる企業割合
ハラスメントを防止するための対策に「取り組んでいる」企業割合は、次のとおりです。
- セクシュアルハラスメント防止対策:87.3%
- 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント防止対策:85.8%
- パワーハラスメント防止対策:87.7%
セクシュアルハラスメント防止対策は前回調査の89.9%から2.6ポイント減少、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント防止対策は88.0%から2.2ポイント減少、パワーハラスメント防止対策は90.0%から2.3ポイント減少しています。


「取り組んでいる」の内訳を見る
たとえば、セクシュアルハラスメント防止対策では、「取り組んでいる」企業割合は87.3%ですが、その内訳を見ると、「すべて取り組んでいる」は35.5%、「一部、取り組んでいない措置がある」は51.8%です。
取組あり割合だけを見て「すべての措置が整っている」と読むのではなく、内訳もあわせて確認する必要があります。





読み解きメモ
ハラスメント防止対策は、「取り組んでいる」割合だけでなく、「すべて取り組んでいる」のか、「一部、取り組んでいない措置がある」のかを見ると読み方が変わります。
取組あり割合だけで運用の十分性までは判断できません。



法令メモ
ハラスメント防止対策は、法令上の措置義務と関係します。
ただし、統計で示されているのは、企業が「取り組んでいる」と回答した割合です。
法律上の義務と、統計上の実施割合は分けて読む必要があります。
ハラスメントに関する相談実績・事案の状況
過去3年間に、ハラスメントに関する相談実績又は事案のあった企業割合は、次のとおりです。
- セクシュアルハラスメント:6.6%
- 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント:0.9%
- パワーハラスメント:14.7%
セクシュアルハラスメントは前回調査の6.0%から0.6ポイント上昇、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントは前回と同水準、パワーハラスメントは14.6%から0.1ポイント上昇しています。





なるほどポイント:相談実績又は事案ありは、発生率そのものではありません
この数値は、過去3年間に「相談実績又は事案」があった企業割合です。
実際に起きたすべてのハラスメントの発生率ではありません。
相談窓口の整備状況や、企業規模による把握のされやすさともあわせて読む必要があります。
相談実績・事案があった企業の対応状況
相談実績又は事案があった企業については、対応内容も集計されています。
セクシュアルハラスメントでは、「事実関係を確認した」が91.0%、「被害者に対する配慮を行った」が83.4%、「再発防止に向けた措置を講じた」が82.4%でした。
妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントでは、「事実関係を確認した」が76.0%、「再発防止に向けた措置を講じた」が73.9%、「被害者に対する配慮を行った」が61.7%でした。
パワーハラスメントでは、「事実関係を確認した」が92.0%、「再発防止に向けた措置を講じた」が81.3%、「被害者に対する配慮を行った」が77.1%でした。
これらは複数回答のため、合計して100%になるものではありません。


カスタマーハラスメント等に関する望ましい取組の状況
ハラスメントに関する望ましい取組への対応状況として、次の項目が示されています。
- カスタマーハラスメント対策で「一定の取組をしている」企業割合:30.1%
- 就職活動中やインターンシップ中の学生・求職者へのハラスメント対策で「一定の取組をしている」企業割合:19.7%
- 取引先の労働者やフリーランス等、自社の労働者以外の者へのハラスメント対策で「一定の取組をしている」企業割合:22.1%
カスタマーハラスメント対策は前回調査と同水準、就職活動中やインターンシップ中の学生・求職者へのハラスメント対策は前回から5.0ポイント減少、取引先の労働者やフリーランス等へのハラスメント対策は前回から4.0ポイント減少しています。





なるほどポイント:防止対策と望ましい取組は分けて読む
セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、パワハラの防止対策と、カスタマーハラスメント等に関する望ましい取組は、統計上の項目が異なります。
同じ「ハラスメント」でも、何に対する取組なのかを分けて読むことが大切です。
【過年度調査で扱われた関連項目】
過年度の雇用均等基本調査では、性的指向・性自認に関するハラスメントについても扱われていました。
令和7年度の結果概要では同じ形の項目は確認できないため、本記事では令和7年度結果として公表されているハラスメント防止対策・相談実績や事案・望ましい取組を中心に整理します。
過年度の関連項目は、令和5年度記事で確認できます。
数値を見るときの注意点
- 男女比率と職種構成は分母が違います。
女性割合28.6%は、正社員・正職員全体に占める女性割合です。一方、総合職41.0%は、女性の正社員・正職員の中での職種構成です。 - 女性管理職を有する企業割合と、管理職に占める女性割合は違います。
前者は企業単位、後者は管理職等の人数構成です。 - 相談実績又は事案ありは、実際の発生率そのものではありません。
相談や事案として把握された企業割合として読む必要があります。 - 防止対策と望ましい取組は別項目です。
法令上の措置義務と、統計上の取組状況を分けて読むことが大切です。
制度理解・社労士試験での見方
雇用均等基本調査は、社労士試験の一般常識対策でも、制度と統計をつなげて読む練習になります。
特に今回の記事では、次のような視点で見ると整理しやすくなります。
- 男女雇用機会均等法と採用・配置・昇進の考え方
- 女性活躍推進法と女性管理職に関する指標
- ハラスメント防止措置と根拠法令
- 企業調査と事業所調査の違い
- 企業割合、労働者割合、管理職に占める割合の違い
年度記事では制度の詳説までは行いませんが、数値を見るときに「どの制度と関係する統計なのか」を意識すると、試験対策としても実務理解としても読みやすくなります。
【統計を読む前に】
この調査では、「企業割合」「管理職に占める割合」「相談実績又は事案のあった企業割合」など、項目ごとに分母が変わります。数値を見るときは、まず「何を100%としているのか」を確認すると読みやすくなります。
【関連する用語解説】
女性管理職に関する統計では、「女性管理職を有する企業割合」と「管理職に占める女性割合」が出てきます。どちらも女性管理職に関する数値ですが、分母が異なります。
【制度の前提知識】
ハラスメント防止対策は、法令上の措置義務と関係します。一方で、統計上の数値は、企業が「取り組んでいる」と回答した割合です。法律上の義務と統計上の実施割合は分けて読む必要があります。
ハラスメント防止措置と望ましい取組の違いを確認する
FAQ
Q1. 雇用均等基本調査とは何ですか?
A. 厚生労働省が実施している一般統計調査で、男女の雇用均等問題に係る雇用管理の実態を把握することを目的としています。
Q2. この記事は企業調査と事業所調査のどちらを扱っていますか?
A. 主に企業調査を扱っています。企業調査は常用労働者10人以上の民営企業、事業所調査は常用労働者5人以上の民営事業所が対象です。
Q3. 正社員・正職員に占める女性割合はどのくらいですか?
A. 令和7年度調査では28.6%です。前回調査の27.6%から1.0ポイント上昇しています。
Q4. 女性の職種構成では何が特徴ですか?
A. 女性の正社員・正職員に占める職種割合では、総合職が41.0%と最も高くなりました。平成28年度以降、初めて総合職が一般職を上回っています。
Q5. 女性管理職を有する企業割合と、管理職に占める女性割合は同じですか?
A. 同じではありません。前者は女性管理職がいる企業の割合、後者は管理職等全体に占める女性の割合です。
Q6. ハラスメント事案の数値は発生率ですか?
A. 発生率そのものではありません。過去3年間に相談実績又は事案があった企業割合として読む必要があります。
Q7. 男性のみ採用の理由は令和7年度記事で扱いますか?
A. 令和6年度記事では扱っていましたが、令和7年度の結果概要では同じ形の項目は確認できないため、本記事では過年度調査項目として案内します。
関連する統計・調査項目
出典・元資料
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査 企業調査 結果概要」
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査 企業調査 統計表」
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査 調査概要」
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」公式公表ページ

