時間外労働の割増賃金率とは?25%以上の意味を解説

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時間外労働の割増賃金率とは?25%以上の意味を解説

こんにちは!さくらもちです。
今回は、就労条件総合調査の「時間外労働・割増賃金制度」を読む前提として、時間外労働の割増賃金率について整理します。

統計記事では、次のような表現が出てきます。

  • 時間外労働の割増賃金率
  • 25%以上
  • 26%以上
  • 1か月60時間を超える時間外労働
  • 50%以上
  • 中小企業と中小企業以外

数字だけを見ると単純に見えますが、ここでは法令上の割増賃金率と、統計上の企業割合を分けて読むことが大切です。

結論|時間外労働の割増賃金率は原則25%以上

まず結論です。

法定労働時間を超えて労働させた場合の時間外労働については、原則として25%以上の割増賃金が必要です。

ここでいう時間外労働は、会社が定めた所定労働時間を超えた労働という意味ではなく、原則として法定労働時間を超えた労働を指して整理します。

さくらもち

【もちの一言】
「残業=すべて25%以上」と覚えると少し雑になります。試験対策では、まず法定労働時間を超えた時間外労働に対して25%以上の割増賃金が必要、と整理すると分かりやすいです。

法定労働時間とは何か

割増賃金率を理解するには、まず法定労働時間を確認する必要があります。

法定労働時間とは、労働基準法で定められている労働時間の上限です。原則として、次のように整理されます。

区分原則見るポイント
1日の法定労働時間8時間1日8時間を超える部分は、時間外労働として整理される
1週の法定労働時間40時間1週40時間を超える部分も、時間外労働として整理される

会社が定める所定労働時間が7時間30分の場合、7時間30分を超えたからといって、直ちに法定時間外労働になるとは限りません。法定労働時間と所定労働時間を分けて見ることが大切です。

所定労働時間を超えた残業との違い

実務で混同しやすいのが、所定労働時間を超えた残業と、法定労働時間を超えた時間外労働です。

たとえば、会社の所定労働時間が1日7時間30分の場合、7時間30分を超えて8時間まで働いた部分は、会社の所定労働時間は超えていますが、法定労働時間の8時間は超えていません。

区分意味割増賃金率を見るときの注意点
所定労働時間を超えた労働会社が定めた労働時間を超える労働会社の賃金規程・就業規則で扱いを確認する
法定労働時間を超えた労働原則1日8時間・1週40時間を超える労働25%以上の割増賃金率が問題になる
さくらもち

【試験メモ】
「所定労働時間を超えた時間」と「法定労働時間を超えた時間」は同じではありません。割増賃金率25%以上を考えるときは、まず法定労働時間を超えているかを確認します。

36協定と割増賃金は別に考える

時間外労働を理解するときは、36協定と割増賃金も分けて整理します。

36協定は、法定労働時間を超えて労働させるための手続面で重要です。一方、割増賃金は、実際に時間外労働をさせた場合に支払う賃金面のルールです。

項目役割注意点
36協定法定労働時間を超える時間外労働などを行うための手続協定の締結・届出が問題になる
割増賃金時間外労働などに対して支払う追加の賃金25%以上、月60時間超50%以上などの率が問題になる

つまり、36協定があるかどうかと、割増賃金を支払うかどうかは、別々に確認する必要があります。

さくらもち

【実務メモ】
実務では、36協定を締結・届出しているか、協定の上限時間を超えていないか、割増賃金を正しく計算しているかをそれぞれ確認します。「36協定があるから割増賃金はいらない」ということにはなりません。

25%以上とは何を意味するのか

「25%以上」とは、通常の賃金に対して、少なくとも25%以上を上乗せして支払うという意味です。

たとえば、1時間あたりの賃金が1,000円の場合、25%以上の割増賃金率であれば、時間外労働1時間あたり少なくとも1,250円以上として考えることになります。

就労条件総合調査では、時間外労働の割増賃金率について、25%とする企業、26%以上とする企業などが集計されることがあります。

ここで大切なのは、25%は法定の下限として整理される数字であり、企業によってはそれを上回る率を定めている場合もあるという点です。

月60時間を超える時間外労働は50%以上

通常の時間外労働については25%以上が基本ですが、1か月60時間を超える時間外労働については、50%以上の割増賃金率が問題になります。

令和5年4月1日以降は、中小企業についても、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率は50%以上とされています。

時間外労働の区分割増賃金率注意点
法定労働時間を超える時間外労働25%以上通常の時間外労働の基本
1か月60時間を超える時間外労働50%以上60時間を超えた部分について適用

年度記事で「月60時間超の時間外労働に係る割増賃金率」が出てきた場合は、通常の25%以上とは分けて読む必要があります。

さくらもち

【試験メモ】
通常の時間外労働は25%以上、1か月60時間を超える時間外労働は50%以上、と分けて整理します。特に月60時間超は、通常の25%と混同しないようにしましょう。

休日労働・深夜労働との違い

割増賃金率では、時間外労働だけでなく、休日労働や深夜労働も出てきます。

代表的な整理は次のとおりです。

区分割増賃金率見るポイント
時間外労働25%以上法定労働時間を超える労働
1か月60時間超の時間外労働50%以上60時間を超えた部分
法定休日労働35%以上法定休日に労働した場合
深夜労働25%以上原則として午後10時から午前5時まで

なお、時間外労働と深夜労働が重なる場合など、複数の割増が関係する場面もあります。この記事では、就労条件総合調査の読み方に必要な範囲として、時間外労働の25%以上と月60時間超50%以上を中心に扱います。

就労条件総合調査ではどう読むか

就労条件総合調査では、時間外労働の割増賃金率について、企業がどのように定めているかが示されます。

年度記事では、たとえば次のような項目を確認します。

  • 時間外労働の割増賃金率を一律に定めている企業割合
  • 一律に定めている企業のうち、25%とする企業割合
  • 26%以上とする企業割合
  • 1か月60時間を超える時間外労働の割増賃金率を定めている企業割合
  • 月60時間超について、50%以上とする企業割合

ここで注意したいのは、統計上の割合は「企業がどのように定めているか」を見るものであり、法令上の最低基準そのものを示しているわけではないという点です。

さくらもち

【読み解きメモ】
就労条件総合調査の割増賃金率を見るときは、法令上の基準と、統計上の企業割合を分けて読むことが大切です。25%以上・50%以上という制度上の基準を押さえたうえで、企業がどのように定めているかを確認しましょう。

社労士試験で押さえたいポイント

さくらもち

【試験メモ】
時間外労働の割増賃金率では、通常の時間外労働25%以上、月60時間超50%以上、法定休日労働35%以上、深夜労働25%以上を分けて整理します。就労条件総合調査では、これらの制度上の基準と企業割合を混同しないことが大切です。

  • 通常の時間外労働は25%以上
  • 1か月60時間を超える時間外労働は50%以上
  • 法定休日労働は35%以上
  • 深夜労働は25%以上
  • 36協定と割増賃金は別に確認する
  • 統計上の企業割合と法令上の基準を混同しない

実務で見るときの注意点

さくらもち

【実務メモ】
実務では、36協定、就業規則、賃金規程、給与計算の設定をあわせて確認します。割増賃金率が正しく定められていても、実際の勤怠集計や給与計算で反映されていなければ問題になります。

実務で確認したいのは、次の点です。

  • 36協定を締結・届出しているか
  • 法定労働時間を超える時間外労働を正しく集計しているか
  • 25%以上の割増賃金率が賃金規程や給与計算に反映されているか
  • 月60時間を超える時間外労働を別に集計できているか
  • 月60時間超の50%以上が正しく反映されているか
  • 休日労働・深夜労働との重複を確認しているか

特に、月60時間超の時間外労働は、通常の時間外労働とは別に管理する必要があります。給与計算ソフトや勤怠システムで、自動的に正しく処理されているかも確認したいところです。

関連する年度記事とあわせて読む

この固定記事は、年度別の就労条件総合調査の記事を読むための前提知識として使えます。

令和7年版などの年度記事では、その年の最新統計として企業割合を確認し、この固定記事では「25%以上とは何か」「月60時間超50%以上とは何か」を整理する、という役割分担にすると読みやすくなります。

出典・関連資料

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