【2025年版】毎月勤労統計調査の概要と結果解説|賃金・雇用・労働時間の動向

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調査項目現金給与総額
現金給与総額の前年比
名目・実質賃金
パートタイム労働者比率
実労働時間
常用雇用・労働異動率
出典調査名毎月勤労統計調査
統計対象時期2025年(令和7年)1~12月平均・年分結果確報
行政庁公表日2026年2月25日
もちのつぶやき記事公開日2026年11月7日
もちのつぶやき最終更新日2026年11月7日
更新性質毎年確認

※この記事は、2025年1~12月の全国調査・年分結果確報(2026年2月25日公表)を扱います。2025年度分や月次速報とは異なります。
最新の掲載状況は「調査項目別 最新掲載一覧」をご確認ください。

目次

【2025年版】毎月勤労統計調査の概要と結果解説|賃金・雇用・労働時間の動向

こんにちは、さくらもちです!
今回は、2026年2月25日に公表された毎月勤労統計調査・2025年分結果確報(全国調査)(厚生労働省の公表ページ)について取り上げます。

毎月勤労統計調査とは?

毎月勤労統計調査は、厚生労働省が実施する基幹統計調査で、賃金・労働時間・雇用の変動を調べるものです。今回は全国調査、事業所規模5人以上、調査産業計、就業形態計を解説します。

  • 調査対象:対象産業に属する常用労働者5人以上の事業所(船員等の除外に注意)
  • 主な調査項目:月間現金給与額、実労働時間数・出勤日数、常用雇用・労働異動率
  • 集計:月平均金額・時間などの実数の年平均は各月の推計常用労働者数で加重平均、指数の年平均は各月指数の単純平均
2025年毎月勤労統計調査 事業所規模5人以上と30人以上の母集団の違い。
5人以上の数値と30人以上の数値は異なる対象の平均です。
2025年毎月勤労統計調査 年分結果と年度分結果の期間差
2025年分は1~12月、2025年度分は翌年3月までを対象とします。

主な調査結果|2025年分確報

項目(主に5人以上・就業形態計)2025年平均増減・比較
現金給与総額355,941円/人・月前年比2.3%増
きまって支給する給与287,427円/人・月前年比2.0%増
所定内給与267,532円/人・月前年比2.0%増
実質賃金指数(CPI:持家の帰属家賃を除く総合)98.0(2020年平均=100)前年比1.3%減
総実労働時間135.1時間/人・月前年比1.4%減
所定外労働時間9.8時間/人・月前年比2.5%減
常用労働者数51,566千人前年比1.5%増
パートタイム労働者比率31.31%前年差0.45ポイント上昇
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果確報」第1~3表・時系列第1表。

調査結果:現金給与総額

現金給与総額は、調査産業計・就業形態計・規模5人以上で355,941円(前年比2.3%増)でした。一人平均の月間給与額であり、年収や全就業者平均ではありません。

給与の区分2025年平均(月額)公式前年比
現金給与総額355,941円+2.3%
きまって支給する給与287,427円+2.0%
所定内給与267,532円+2.0%
所定外給与19,895円+1.3%
特別に支払われた給与68,514円+3.8%
出典:2025年分確報・第1表(事業所規模5人以上・調査産業計・就業形態計)。
2025年毎月勤労統計調査 現金給与総額と定期給与・所定内外給与・特別給与の包含関係。
現金給与総額は定期給与と特別給与の合計で、定期給与は所定内と所定外に分かれます。

就業形態別では、一般労働者465,923円(前年比2.9%増)、パートタイム労働者114,527円(同2.3%増)です。これらは各区分の一人平均月額であり、労働時間や就業形態の構成が異なるため、金額差をそのまま個人の賃金格差の原因とみなすことはできません。

現金給与総額、所定内給与、所定外給与、特別給与の包含関係については、現金給与総額・所定内給与・特別給与の違いで詳しく解説しています。

2025年毎月勤労統計調査 一般労働者とパートタイム労働者の月額及び時間当たり給与の単位の違い。
一般・パートの月額現金給与総額と、パートの時間当たり所定内給与は別の単位で読みます。
さくらもち

現金給与総額は、一般労働者だけでなくパートタイム労働者も含めた全体の平均額です。統計を読み取る際には、対象範囲を正しく把握しておくことが大切ですね。

さくらもち

【読み解きメモ】毎月勤労統計の「一般」「パート」は所定労働時間や所定労働日数による分類です。具体的には、パートタイム労働者は同じ事業所の一般労働者より1日の所定労働時間が短いか、1日の所定労働時間が同じで1週の所定労働日数が少ない常用労働者です。労働力調査の「正規・非正規」(勤め先の呼称)とは同じ区分ではありません。

一般労働者とパートタイム労働者の統計上の定義や、労働力調査の正規・非正規との違いについては、一般労働者とパートタイム労働者の違いで整理しています。

調査結果:現金給与総額の増減と実質賃金

2025年分の現金給与総額は名目で前年比2.3%増でした。一方、実質賃金指数は、CPI「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化した系列が98.0(前年比1.3%減)、「総合」で実質化した参考系列が99.8(前年比0.8%減)です。いずれも2020年平均=100。

比較系列2025年の値前年比
名目・現金給与総額355,941円/月+2.3%
実質賃金指数 A98.0▲1.3%
実質賃金指数 B(参考)99.8▲0.8%
出典:2025年分確報・概況p.1、参考資料p.5。実質の指数基準は2020年平均=100。
2025年毎月勤労統計調査 名目賃金前年比と2種類の実質賃金前年比。
名目賃金が前年比で増加しても、物価上昇を考慮した実質賃金が低下する場合があります。
さくらもち

名目賃金は増加しましたが、2025年の実質賃金指数は2つのCPI系列のいずれでも前年を下回りました。名目金額と実質賃金指数を同じ単位で扱わないことが大切ですね。

名目賃金が増加しても実質賃金が減少する仕組みや、CPI2系列の読み方については、名目賃金と実質賃金の違いで詳しく解説しています。

調査結果:パートタイム労働者比率

就業形態計の常用労働者に占めるパートタイム労働者比率は31.31%で、前年より0.45ポイント上昇しました。2024年の30.86%(2025年分確報・付表の2024年行)との違いは「率の差」なので、0.45%増とは書きません。

※常用雇用の前年比との違いは、後掲の「調査結果:常用雇用の増減」にある図解F07で整理します。

さくらもち

パートタイム労働者比率の上昇は確認できますが、この集計値だけで、女性や高年齢者の労働参加、労働者の希望の変化などを増加の原因と断定しないようにしましょう。

調査結果:所定外労働時間

就業形態計の所定外労働時間は9.8時間/人・月(前年比2.5%減)でした。総実労働時間135.1時間(同1.4%減)、所定内労働時間125.3時間(同1.3%減)、出勤日数17.4日(前年差0.3日減)です。

2025年毎月勤労統計調査 総実労働時間と所定内・所定外労働時間の関係。
総実労働時間135.1時間は所定内125.3時間と所定外9.8時間から構成されます。

総実労働時間・所定内・所定外労働時間の定義や、法定時間外労働との違いについては、総実労働時間・所定内・所定外の違いで整理しています。

調査結果:常用雇用の増減

調査産業計の常用労働者数は51,566千人で、常用雇用の前年比は1.5%増でした(2020年平均=100の常用雇用指数は105.9)。入職率は1.99%(前年差▲0.05ポイント)、離職率は1.89%(同▲0.05ポイント)です。入職率・離職率と常用雇用の増減率は別の指標です。

2025年毎月勤労統計調査 常用雇用増減率とパートタイム労働者比率の違い。
常用雇用の前年比1.5%増とパート比率31.31%(前年差0.45ポイント)は別指標です。
さくらもち

常用雇用が前年より増加したことは確認できますが、この数字だけで採用意欲や景気の変化が増加の原因だったとは判断できません。数字の変化と、その理由は分けて読み取りたいですね。

まとめ:調査結果の重要性

2025年分確報では、現金給与総額は名目で増加しましたが、CPI「持家の帰属家賃を除く総合」で実質化した現金給与総額の指数は低下しました。所定外労働時間は減少し、常用雇用は増加しました。これらはそれぞれ金額・指数・時間・人数(指数)という異なる尺度であり、同一の指標として比較しないようにします。

社労士試験での見方・読み解きメモ

  • 2025年分(1~12月)と2025年度分(4月~翌3月)の違いを確認する
  • 月間現金給与総額は一人平均の月額。年収や給与手取りではない
  • 一般・パートの分類と、労働力調査の正規・非正規の分類を混同しない
  • 実質賃金はCPI系列と指数基準年をセットで記載する
  • 前年比(%)と前年差(ポイント)を使い分ける

参考・関連リンク

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