【2025年版】賃金構造基本統計調査の概要と結果解説|一般・短時間労働者の賃金と男女間格差

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調査項目一般労働者の賃金
短時間労働者の賃金
男女間賃金格差
出典調査名賃金構造基本統計調査
統計対象時期令和7(2025)年6月分の賃金等(賞与・特別給与は原則令和6(2024)年1~12月分)
行政庁公表日令和8(2026)年3月24日
もちのつぶやき記事公開日令和8(2026)年11月8日
もちのつぶやき最終更新日令和8(2026)年11月8日
更新性質毎年確認

※この記事では、令和7(2025)年6月分の賃金等を対象とする調査結果を扱っています。「2025年の年間平均賃金」や「2025年度の平均賃金」ではありません。
最新の掲載状況は「調査項目別 最新掲載一覧」をご確認ください。

目次

【2025年版】賃金構造基本統計調査の概要と結果解説|一般・短時間労働者の賃金と男女間格差

こんにちは!さくらもちです。
これまでの社労士試験の経験を活かして、一般常識に含まれる統計調査について、分かりやすくお伝えします。今回は令和8年3月24日に公表された令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の内容を解説します。調査対象は令和7年6月分の賃金等であり、令和7年7月に調査が行われ、結果は翌年3月に公表されたものです。

賃金構造基本統計調査とは?

賃金構造基本統計調査は、厚生労働省が実施する基幹統計調査の一つです。この調査は、労働者の賃金に関する実態を、以下のような多様な条件で把握することを目的としています。

  • 就業形態(一般労働者・短時間労働者)
  • 雇用形態(正社員・正職員、正社員・正職員以外)
  • 職種や性別、年齢、学歴などの属性
  • 勤続年数、経験年数別の賃金構造

調査範囲と役割

  • 調査全体の対象:
    ・民営事業所:常用労働者5人以上を雇用。ただし、5~9人の事業所は企業規模も5~9人の事業所に限ります。
    ・公営事業所:常用労働者10人以上を雇用。

ここで注意したいのは、この記事で使う公式「概況」の数値は、常用労働者10人以上を雇用する民営事業所について集計した結果だという点です。調査全体の対象である民営5~9人や公営事業所の結果を混ぜていません。令和7年調査全体の対象79,321事業所のうち、有効回答は59,836事業所(75.4%)で、概況の集計対象となる民営10人以上の有効回答は52,242事業所です。掲載値は、一定の集計要件を満たす常用労働者の賃金を復元倍率等を用いて集計した平均であり、回答事業所の単純平均ではありません。

  • 活用例:
    ・最低賃金改定の基礎データ
    ・労災保険の休業給付基礎日額の最低・最高限度額の算定資料

本記事の「賃金」は、令和7(2025)年6月分の所定内給与額の平均です。所定内給与額は、6月分のきまって支給する現金給与額から時間外勤務手当などの超過労働給与額を差し引いた、所得税等の控除前の金額をいいます。年収・手取り額・年間賞与込みの賃金とは区別してください。

主な結果|一般労働者は月額、短時間労働者は時間当たりで読む

就業形態・指標男女計男性女性単位
一般労働者の賃金340.6373.4285.9千円/月(6月分)
短時間労働者の1時間当たり賃金1,5181,7691,418円/時間
出典:厚生労働省「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」第1表・第11表。概況の対象は常用労働者10人以上の民営事業所。

一般労働者の男女間賃金格差(男性=100)は76.6でした。これは賃上げ率76.6%という意味ではありません。

調査結果:一般労働者の賃金

令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者の2025年6月分所定内給与額を男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円で示した横棒グラフ
2025年6月分の一般労働者の賃金は、男女計340.6千円、男性373.4千円、女性285.9千円です。

  • 全体平均賃金:340.6千円/月(平均年齢44.4歳、前年比3.1%増)
  • 男女別の平均賃金:
    ・男性:373.4千円/月(平均年齢45.2歳、前年比2.8%増)
    ・女性:285.9千円/月(平均年齢43.2歳、前年比3.9%増)

いずれも、令和7年6月分の所定内給与額の平均です。一般労働者の賃金には「正社員・正職員以外」の一般労働者も含まれるため、340.6千円を正社員だけの平均と読み替えることはできません。

男女間賃金格差|男性を100とした女性の平均賃金の比

令和7年賃金構造基本統計調査 男女間賃金格差(男性100)2024年75.8と2025年76.6を比較し0.8ポイント上昇を示した図解
一般労働者の男女間賃金格差は男性を100とした女性の比で、2024年75.8から2025年76.6へ0.8ポイント上昇しました。
  • 男女間賃金格差:男性を100とした場合、女性は76.6(令和6年の75.8から0.8ポイント上昇)

この指標は、女性の一般労働者の平均賃金 ÷ 男性の一般労働者の平均賃金 × 100で求めます。男女の平均賃金の比を表すもので、同じ仕事・年齢・勤続年数の男女を一対一で比べた結果ではありません。また、前年差の0.8ポイントは女性の賃金上昇率3.9%とは別の数字です。

さくらもち

男女間の賃金格差が「76.6」となっていることは、女性の平均賃金が男性の平均賃金の約76.6%に相当するという意味です。
年齢、勤続年数、役職や働き方の構成などは賃金水準と関係し得ますが、この比率だけで格差が生じた原因を特定することはできません。
こうした点は、統計を読み解く際に押さえておきたいポイントです。

調査結果:短時間労働者の賃金

令和7年賃金構造基本統計調査 短時間労働者の2025年6月分1時間当たり賃金を男女計1518円、男性1769円、女性1418円で示した横棒グラフ
2025年6月分の短時間労働者の1時間当たり賃金は、男女計1,518円、男性1,769円、女性1,418円です。

  • 1時間当たりの平均賃金:1,518円(前年比2.8%増)
  • 男女別の平均賃金:
    ・男性:1,769円(前年比4.1%増)
    ・女性:1,418円(前年比2.2%増)

短時間労働者の1時間当たり賃金は、労働者ごとに所定内給与額を所定内実労働時間数で除し、その結果を平均した額です。一般労働者の月額340.6千円と短時間労働者の1,518円/時間を、そのまま並べて賃金の高低を判断しないようにします。

さくらもち

短時間労働者については、同じ事業所の一般の労働者より1日の所定労働時間が短い、または1日の所定労働時間が同じでも1週の所定労働日数が少ない常用労働者が該当します。
これは就業形態の区分です。調査ごとに定義の細部が異なる場合もあるため、統計を読み解く際には、出典や分類の違いに注意しておくと安心です。

一般・短時間と、正社員・正職員は別の分類

この調査では、一般労働者/短時間労働者は「就業形態」、正社員・正職員/正社員・正職員以外は「雇用形態」による区分です。就業形態と雇用形態は別の分類軸なので、「一般労働者=正社員」「短時間労働者=非正規」とは決められません。詳しい分類図は、本調査の固定記事「賃金構造基本統計調査の一般労働者・短時間労働者とは?就業形態と雇用形態の違い」で整理します。

前回比較|令和6年から令和7年への変化

指標令和6(2024)年令和7(2025)年公式前年比・前年差
一般・男女計(千円/月)330.4340.6+3.1%
一般・男性(千円/月)363.1373.4+2.8%
一般・女性(千円/月)275.3285.9+3.9%
男女間賃金格差(男=100)75.876.6+0.8ポイント
短時間・男女計(円/時間)1,4761,518+2.8%
短時間・男性(円/時間)1,6991,769+4.1%
短時間・女性(円/時間)1,3871,418+2.2%
出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査の概況」「令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況」第1表・第11表。前年比は2025年公式公表値。賃金格差の差は百分率ではなく指数のポイント差。

一般労働者の男女計賃金は330.4千円から340.6千円に増加し、男女間賃金格差の指数は75.8から76.6に上昇しました。ただし、これらは各年6月分の給与について、それぞれの調査・集計対象から推計した平均値です。この比較だけから、同じ労働者全員の賃金が一律に増えた、あるいは変化の原因が一つに特定できるとはいえません。

社労士試験での見方

  • 就業形態(一般・短時間)と雇用形態(正社員・正職員/それ以外)を区別する。
  • 一般労働者は月額の所定内給与額、短時間労働者は1時間当たり賃金として読む。
  • 男女間賃金格差「男性=100、女性=76.6」と、前年比の%、指数の前年差のポイントを混同しない。
  • 調査全体の対象と、概況に掲載される常用労働者10人以上の民営事業所の集計範囲を分けて確認する。
  • 令和7年調査の賃金は2025年6月分で、2025年の年平均や年間賞与を含む年収ではない。

読み解きメモ|調査対象・時期・賃金の単位を確かめる

本概況では、集計する労働者にも、調査期日現在の年齢、6月の実労働日数・所定内実労働時間数、所定内給与額などについて条件が定められています。常用労働者全員の賃金を無条件に平均した数字ではありません。詳細な要件は公式概況の「利用上の注意」を確認してください。

また、調査事項には賞与・期末手当等特別給与額もありますが、令和7年調査で把握する年間賞与・特別給与は原則として令和6(2024)年1~12月分です。本記事で紹介した2025年6月分の所定内給与額と、賞与の対象期間を同じ2025年分として扱わないことが大切です。

賃金は復元倍率を用いた労働者数の加重平均による推計値です。概況とe-Statの企業規模5~9人の別集計、企業規模と事業所規模、また毎月勤労統計調査の年平均給与を無条件に混ぜて比較しないようにしましょう。ほかの給与項目の包含関係は「現金給与総額・所定内給与・特別給与の違い」、統計ごとの用語の違いは「所定内賃金とは?」も参考になります。

FAQ|令和7年賃金構造基本統計調査の読み方

Q1.340.6千円は年収や2025年平均月収ですか?

A.いいえ。令和7(2025)年6月分の一般労働者の所定内給与額の平均で、年間平均や年収ではありません。

Q2.一般労働者は全員、正社員・正職員ですか?

A.いいえ。一般・短時間は就業形態、正社員・正職員/それ以外は雇用形態で、別の分類です。

Q3.「男女間賃金格差76.6」は女性の賃上げ率76.6%ですか?

A.いいえ。男性の平均賃金を100とした女性の平均賃金の比です。2024年の75.8からの変化は+0.8ポイントです。

関連する統計・調査項目

出典・参考資料

※本文に掲げた金額・指数は、特記がない限り、公式概況の常用労働者10人以上の民営事業所における令和7(2025)年6月分の賃金等の結果です。

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