【令和4年版】就労条件総合調査の概要と結果解説(定年・再雇用制度)

目次

【令和4年版】就労条件総合調査の概要と結果解説(定年・再雇用制度)

こんにちは!さくらもちです🌸
社労士試験で学んだ経験を活かし、試験対策や実務に役立つ統計データを分かりやすくお届けします。今回は令和4年10月28日に公表された「令和4年就労条件総合調査1について深掘りし、定年制や雇用状況のポイントを解説します!

この記事でわかること

  • 就労条件総合調査の概要
  • 定年制の現状
  • 定年後の雇用措置(勤務延長・再雇用制度)
  • 社労士試験対策に役立つ解説

なぜ令和4年の調査結果が重要なの?

社労士試験では、最新データではなく数年前の統計調査が出題されることがあります。
例えば、令和5年度試験では、令和3年の雇用均等基本調査のデータが出題されました。そのため、定年制の現状、定年後の雇用措置(勤務延長・再雇用制度)の調査項目が最新である令和4年の調査結果は今後の試験対策として非常に重要です。

就労条件総合調査の概要 

  • 調査目的:民間企業の就労条件の実態把握
  • 調査実施機関:厚生労働省
  • 調査対象:常用労働者30人以上を雇用する民間企業(約6,400社が対象)
  • 有効回答率:58.8%

この調査は「一般統計調査」に分類され、社労士試験においても頻出の統計データです。

調査結果と解説

1. 定年制の有無と定め方

  • 定年制を設けている企業の割合94.4%
  • そのうち、一律に定年年齢を定めている企業:96.9%
さくらもち

定年制を含む退職に関する事項は、就業規則の絶対的必要記載事項に該当します。
つまり、企業が定年制度を導入している場合は、その内容を就業規則に必ず記載しなければなりません。

さくらもち

令和4年の調査では、94.4%の企業が定年制を設けているという結果が出ており、これは制度上の位置づけと実務の整合性が取れていることを示しています。
定年制の導入は法的義務ではありませんが、導入している企業では就業規則への記載が必須です。

2. 一律定年制における定年年齢の状況

定年年齢の分布

  • 65歳以上を定年とする企業:24.5%
  • 多くの企業が「60歳」または「65歳」を定年として設定。
さくらもち

現在、定年年齢は「60歳」または「65歳」とする企業が多く、特に60歳定年が主流となっています。
高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保が義務付けられていますが、定年年齢そのものは60歳でも法的に問題はありません

さくらもち

そのため、60歳を定年としたうえで、再雇用制度や勤務延長制度などの継続雇用措置を導入することで、65歳までの雇用を確保している企業が多いのが実情です。
こうした制度的背景を踏まえると、令和4年の調査結果で「65歳以上を定年とする企業」が24.5%にとどまっていることも納得できます。

さくらもち

定年年齢の設定と雇用確保義務は別の概念です。試験対策では“定年=60歳でもOK”という制度理解と“65歳までの雇用確保義務”をセットで押さえておくと安心です。

3. 65歳を定年年齢とする産業

  • 65歳以上を定年年齢とする高い産業:運輸業、郵便業
  • 65歳以上を定年年齢とする低い産業:複合サービス業
さくらもち

運輸業や郵便業では、他の産業と比べて慢性的な人手不足が続いているとされています。
こうした人材確保の課題を背景に、定年年齢を65歳以上に設定している企業の割合が比較的高い傾向が見られます。

4. 定年後の措置(勤務延長・再雇用制度)

一律定年制を定めている企業のうち、勤務延長制度又は再雇用制度若しくは両方の制度がある企業割合は94.2%

さくらもち

令和4年の調査結果を見ると、一律定年制を導入している企業の多くが「60歳」または「65歳」を定年年齢として設定しています。
高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保が義務付けられていますが、定年年齢そのものは60歳でも法的に問題はありません
そのため、60歳を定年としたうえで、再雇用制度や勤務延長制度などの継続雇用措置を導入し、65歳までの雇用を確保している企業が多いと読み取れます。

  • 勤務延長制度または再雇用制度を導入している企業:94.2%
    再雇用制度のみ63.9%
    勤務延長制度のみ10.5%
    両制度併用19.8%
さくらもち

定年後の雇用措置には主に「再雇用制度」と「勤務延長制度」があります。
再雇用制度は、一度退職した後に新たな雇用契約を結ぶ制度であり、雇用形態や労働条件を柔軟に見直すことが可能です。
一方、勤務延長制度は退職を伴わず、既存の雇用契約を継続する形となるため、業務内容や賃金水準などの条件は原則として変更されません

さくらもち

このような違いから、再雇用制度は、労働条件を柔軟に設定できるため、企業にとって人件費や業務設計の面で調整しやすい制度とされています。
令和4年の調査結果では、再雇用制度のみを導入している企業が63.9%と最も多く、企業にとって採用しやすい選択肢となっていることがうかがえます。

さくらもち

試験対策では、両制度の“契約形態の違い”と“労働条件の変更可能性”を押さえておくと安心です。
実務では、企業の人事戦略やコスト管理の観点から制度選択がなされていることも理解しておきましょう。

5. 勤務延長制度の最高雇用年齢

  • 最高雇用年齢を設定している企業55.1%
    ・そのうち、66歳以上を最高雇用年齢とする企業:31.7%
さくらもち

「最高雇用年齢」とは、企業が定める雇用の上限年齢のことを指します。 勤務延長制度や再雇用制度を導入している企業では、定年年齢とは別に、業務の安全性や身体的負担などを考慮して、最高雇用年齢を設定するケースがあります。
たとえば、「68歳を超えるとこの業務は難しい」といった判断が背景にあることもありますね。

さくらもち

現在、高年齢者雇用安定法では70歳までの雇用確保は努力義務とされており、企業は継続雇用制度の導入や業務委託・起業支援など、複数の選択肢から対応策を検討することが求められています。
この制度的流れを踏まえると、今後は企業の最高雇用年齢が段階的に引き上げられていく可能性も十分に考えられます。

6. 再雇用制度の最高雇用年齢

  • 最高雇用年齢を設定している企業76.5%
    ・そのうち、66歳以上を最高雇用年齢とする企業:22.0%
さくらもち

試験対策では“定年年齢”と“最高雇用年齢”の違いを押さえておくことが大切です。
実務では、業種や職務内容によって上限年齢の設定に差がある点にも注目しておきましょう。

まとめ:令和4年の調査結果を試験と実務に活かそう!

令和4年の就労条件総合調査は、社労士試験対策として重要なデータです。また、企業の雇用制度を理解するうえでも非常に参考になります。この記事を通じて、統計データがより身近に感じられたら嬉しいです!

次回もお楽しみに!

  1. 「就労条件総合調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/22/dl/gaikyou.pdf)を加工して作成 ↩︎
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次