令和6年 雇用均等基本調査|多様な正社員制度の導入率と利用実態

目次

はじめに

令和6年に厚生労働省が実施した雇用均等基本調査では、事業所における「多様な正社員制度」の導入状況と利用実態が明らかになりました。
本記事では、制度の定義、導入率、利用状況、そして制度導入の背景について整理します。

調査概要

  • 調査名:令和6年 雇用均等基本調査(一般統計調査)
  • 実施機関:厚生労働省
  • 対象事業所:常用労働者5人以上の民営企業 約6,300社(産業・企業規模別に層化無作為抽出)
  • 有効回答率:53.7%
  • 目的:男女雇用均等に関する雇用管理の実態把握と行政施策の基礎資料収集

多様な正社員制度の定義

厚生労働省では、以下のように「限定正社員」を分類しています:

制度名定義
短時間正社員長時間勤務が困難な人材を活用するための雇用形態
勤務地限定正社員転勤範囲が限定されている正社員(育児・介護等の事情を考慮)
職種・職務限定正社員特定業務に限定された専門性の高い正社員

制度の実施状況

  • 制度が就業規則等で明文化されており、勤務可能な事業所の割合:24.3
  • 制度別の導入状況(多い順):
    1.短時間正社員
    2.勤務地限定正社員
    3.職種・職務限定正社員
さくらもち

厚生労働省の「多様な正社員」の普及・拡大に関する有識者懇談会報告書(平成26年7月)では、制度導入の主な目的として、以下の点が挙げられています。
・優秀な人材の獲得と定着
・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の支援
・女性の活躍推進
・技能やノウハウの安定的な継承
これらは、企業の人材戦略や働き方改革の一環として、多様な正社員制度が期待されている背景といえます。

制度の利用状況

  • 制度を利用した者がいた事業所の割合:
    ・短時間正社員:28.8%
    ・勤務地限定正社員:48.1%
    ・職種・職務限定正社員:40.9%
  • 制度利用者の割合(勤務可能な事業所における実利用率)
    ・短時間正社員:6.0%
    ・勤務地限定正社員:24.2%
    ・職種・職務限定正社員:26.9%

FAQ

Q1. 多様な正社員制度とは何ですか?
A. 勤務時間・勤務地・職務内容などを限定した正社員制度で、短時間正社員、勤務地限定正社員、職種・職務限定正社員などがあります。

Q2. 多様な正社員制度を導入している企業はどのくらいありますか?
A. 制度が就業規則等で明文化されている事業所は24.3%です。

Q3. 実際に制度を利用した事業所の割合は?
A. 短時間正社員28.8%、勤務地限定正社員48.1%、職種・職務限定正社員40.9%です。

Q4. 制度を利用した労働者の割合は?
A. 短時間正社員6.0%、勤務地限定正社員24.2%、職種・職務限定正社員26.9%です。

Q5. 制度導入の目的は何ですか?
A. 人材の獲得・定着、生活との調和支援、女性活用、技能の継承などが挙げられています。

まとめ

多様な正社員制度は、柔軟な働き方の選択肢として注目されており、導入率・利用率ともに一定の広がりを見せています。
社労士試験でも頻出のテーマであり、制度の定義・導入背景・実態を正確に理解することが重要です。

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