令和6年 高年齢者雇用状況|65歳までの措置実施率まとめ

目次

はじめに

令和6年の高年齢者雇用状況等報告では、65歳までの雇用確保措置や70歳までの就業確保措置の実施状況が公表されました。
本記事では、制度の法的背景と企業の対応状況を整理し、統計データをもとに現場の実態を読み解きます。

調査の概要と人口構成

調査対象と集計範囲

  • 調査種別:業務統計(官庁資料の集計)
  • 報告根拠:高年齢者雇用安定法
  • 対象企業:令和6年6月1日時点で常時雇用21人以上の企業(237,052社)

65歳以上人口の確認

高年齢者雇用状況を理解する前提として、日本の高齢人口を確認しておきます。
令和6年10月1日現在、65歳以上の人口は約3,600万人で、総人口(約1億2,500万人)の約30%を占めています。
この割合は年々上昇しており、高年齢者の雇用確保措置が制度的に重視される背景となっています。

65歳までの雇用確保措置の実施状況

実施率と法的義務

  • 実施済み企業:99.9%
さくらもち

高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保措置を講じることが企業に義務づけられています。
この措置が未実施の場合、厚生労働大臣から勧告がなされ、それに従わない企業については企業名が公表される可能性があります。
制度上の義務であることに加え、企業イメージへの影響も考慮されるため、実際にはほぼすべての企業が措置を講じている状況です

措置内容の内訳

  • 継続雇用制度の導入:67.4%
  • 定年の引上げ:28.7%
さくらもち

継続雇用制度が最も多く導入されており、企業側としても対応しやすい制度といえます
一方で、定年の引上げや定年制の廃止といった措置は、雇用契約の延長や定年の撤廃を伴うため、人件費や人員構成への影響が大きく、導入には慎重な判断が求められています。

70歳までの就業確保措置の実施状況

  • 実施済み企業:31.9%
さくらもち

高年齢者雇用安定法では、70歳までの高年齢者就業確保措置については「努力義務」として位置づけられています。
この措置が未実施の企業に対しては、計画の策定を促す勧告が行われますが、65歳までの雇用確保措置と異なり、企業名の公表制度は設けられていません。
そのため、制度整備への強制力は限定的であり、結果として実施済みの企業は約3割にとどまっている状況です。

定年制の状況

  • 65歳以上を定年とする企業:32.6%
さくらもち

高年齢者雇用安定法において、70歳までの高年齢者就業確保措置は「努力義務」として位置づけられています。
この制度は法的拘束力がないため、企業側の対応は任意に委ねられており、制度整備の進捗にはばらつきが見られます。
その結果として、65歳以上を定年とする企業の割合は依然として低く、制度的な普及は限定的な状況にとどまっています。

まとめ

65歳までの雇用確保措置は法的義務であり、企業名公表制度も設けられていることから、ほぼすべての企業が対応済みです。
一方、70歳までの就業確保措置は努力義務にとどまり、制度整備への強制力が弱いため、実施率は限定的です。

FAQ

Q1. 65歳までの雇用確保措置は義務ですか?
A. はい。高年齢者雇用安定法により、企業は65歳までの雇用確保措置を講じる義務があります。

Q2. 実施している企業の割合は?
A. 令和6年の報告では、99.9%の企業が実施済みとされています。

Q3. どのような措置が多いですか?
A. 継続雇用制度が67.4%と最多で、次いで定年引上げが28.7%です。

Q4. 70歳までの就業確保措置は義務ですか?
A. 努力義務とされており、実施率は31.9%にとどまっています。

Q5. 定年を65歳以上にしている企業はどれくらい?
A. 65歳以上を定年とする企業は32.6%です。

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