令和6年 雇用均等基本調査|介護休暇制度の整備状況と取得実態(事業所調査)

目次

調査の概要

こんにちは、さくらもちです。
今回は、令和6年の「雇用均等基本調査(事業所調査)」のうち、介護休暇制度に関する項目に焦点を当てて解説します。

  • 調査目的:厚生労働省が、男女の雇用均等に関する雇用管理の実態を把握し、政策立案の基礎資料とするために実施。
  • 調査の種類:一般統計調査
  • 調査対象:常用労働者5人以上を雇用する民間企業のうち、産業・企業規模別に無作為抽出された約6,300事業所。
  • 有効回答率:53.7%

介護休暇制度の整備状況

制度の規定率と法的義務

育児・介護休業法では、介護休暇制度の整備と就業規則への明記が求められています。
調査結果によると、制度を規定している事業所の割合は以下の通りです:

  • 従業員5人以上の事業所:68.1
  • 従業員30人以上の事業所:85.3
さくらもち

本来、介護休暇制度は法令に基づき整備されるべきものですが、令和6年の調査結果では、制度を規定している事業所の割合は、従業員5人以上で68.1%、30人以上で85.3%にとどまっています。
この背景には、制度の文書化が進んでいないケースや、対象者がいないため整備を後回しにしている事業所、あるいは制度そのものの理解が不十分な事例があると考えられます。

さくらもち

特に中小企業では、制度整備に割ける人的・時間的余力の差や、法令への認識の違いが、こうした統計結果に反映されているように見受けられます。

制度内容と運用実態

休暇日数の設定

制度を設けている事業所のうち、95.4%が休暇日数に制限を設けています。
法定日数に準拠する事業所の割合は以下の通りです:

  • 対象家族1人:5日(89.9%の事業所が法定通り)
  • 対象家族2人以上:10日(91.9%が法定通り)
さくらもち

育児・介護休業法では、1年度あたりの介護休暇日数として、対象家族が1人の場合は5日、2人以上の場合は10日と定められています。
今回の調査結果でも、これらの法定日数に沿った設定をしている事業所が最も多く、制度の運用において一定の法令遵守が確認されました。

取得単位の柔軟性

令和3年1月の法改正により、介護休暇は時間単位での取得が可能となりました。

  • 時間単位での取得が最も多く、次いで半日単位。

実際の取得状況

介護休暇取得者の有無別事業所割合

  • 介護休暇取得者がいた事業所の割合:3.6%
さくらもち

この調査項目を詳しく見ると、事業所規模が大きいほど介護休暇の取得者がいた割合が高く、反対に小規模な事業所では取得者がいた割合が低い傾向にあります。
これは、事業規模に応じて従業員数が異なるため、介護休暇の取得が発生する確率にも差が生じることが要因と考えられます。
そのため、全体平均としては比較的低い数値となっているものと推察されます。

  • 取得日数の傾向:男女ともに「1~5日」が最多。次いで「6~10日」、「11日以上」の順。
さくらもち

育児・介護休業法においては、対象家族が1人の場合、1年度あたりの介護休暇日数は5日と定められています。
調査結果でも、この法定日数に沿った取得が最も多く、制度の基本的な枠組みが現場でも一定程度浸透していることがうかがえます。

まとめ

介護休暇制度は法令により整備が義務づけられていますが、現場では制度の未整備や理解不足が依然として課題となっています。

FAQ

Q1. 介護休暇制度を整備している企業はどのくらいありますか?
A. 令和6年調査では、従業員5人以上の事業所で68.1%、30人以上では85.3%が制度を規定しています。

Q2. 年間の介護休暇日数は何日ですか?
A. 法定では、対象家族が1人なら5日、2人以上なら10日。実際も89.9%・91.9%の事業所がこの日数を採用しています。

Q3. 時間単位での取得は可能ですか?
A. はい。令和3年の改正により、時間単位での取得が可能になりました。調査でも最も多い取得単位です。

Q4. 実際に介護休暇を取得している人は多いですか?
A. 取得者がいた事業所は全体の3.6%にとどまっています。規模が大きいほど取得率が高い傾向です。

Q5. 制度が未整備の理由は?
A. 対象者不在や制度理解の不足、整備の優先順位が低いことなどが背景にあると考えられます。

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