【令和6年版】毎月勤労統計調査の概要と結果解説(賃金・雇用・労働時間の変化)

こんにちは、さくらもちです!
社労士試験の経験を活かして、統計調査を分かりやすく解説します。今回は、令和7年2月25日に公表された令和6年毎月勤労統計調査1について取り上げます。
毎月勤労統計調査とは?

毎月勤労統計調査は、厚生労働省が実施する基幹統計調査で、日本の労働市場の変動を定期的に把握するために行われています。この調査は以下の項目を対象としています:
- 現金給与総額
- パートタイム労働者比率
- 所定外労働時間
- 常用雇用の増減
調査の概要
- 調査対象:常用労働者を雇用する事業所(常時5人以上を雇用)
- 調査目的:雇用、給与、労働時間における変動を毎月明らかにする
- 調査種類:基幹統計調査(統計法で規定された重要な調査)
調査結果:現金給与総額

- 全体平均:347,994円
- 内訳:
・一般労働者:453,256円
・パートタイム労働者:111,901円
さくらもち現金給与総額は、一般労働者だけでなくパートタイム労働者も含めた全体の平均額です。統計を読み取る際には、対象範囲を正しく把握しておくことが大切ですね。



また、毎月勤労統計調査におけるパートタイム労働者は、賃金構造基本統計調査でいう「短時間労働者」とほぼ同じ概念で捉えられています。
具体的には、所定労働時間や労働日数が一般の労働者より少ない常用労働者が該当します。
調査ごとに定義の細部が異なる場合もあるため、出典を確認しながら丁寧に読み解いていきましょう。
調査結果:現金給与総額の増減


- 全体の増加率:2.8%
- 内訳:
・一般労働者:3.2%増
・パートタイム労働者:3.9%増



令和6年の毎月勤労統計調査では、現金給与総額が前年比で増加しています。
一般労働者の賃金が上昇した背景には、企業による人材確保の動きがあり、人手不足の解消や物価上昇への対応として、ベースアップや賃上げが進んだことが要因と考えられます。
一方、パートタイム労働者については、最低賃金の引上げが賃金水準の底上げにつながり、現金給与額の増加に寄与しています。
こうした動きが全体の給与水準を押し上げる結果となりました。



名目賃金は上昇していますが、実質賃金指数は前年を下回っており、生活実感としての賃金改善には課題が残ります。
調査結果:パートタイム労働者比率


- 全体比率:30.86%
- 前年差増加:0.51ポイント



パートタイム労働者の比率が上昇している背景には、女性や高齢者を中心とした労働参加の広がりがあります。
多様な働き方へのニーズが高まる中で、柔軟な雇用形態を選ぶ層が増えていることも、統計に表れていると感じます。
調査結果:所定外労働時間


- 全体平均:10.0時間
- 前年比減少:2.7%



新型コロナ後の経済回復期には、一時的に所定外労働時間が増加する傾向が見られましたが、令和6年には経済活動が安定し、残業時間は減少傾向となっています。
加えて、労働基準法の改正や働き方改革関連法による残業時間の上限規制が浸透し、企業側でも残業抑制の取り組みが定着してきたことが、統計からも読み取れます。
制度面と経済環境の両面から、労働時間の見直しが進んでいる状況ですね。
調査結果:常用雇用の増減


- 調査結果:常用雇用は、1.2%の増加



令和4年は、コロナ禍からの回復に向けて経済活動の正常化が進んだ年でした。
こうした動きを背景に、企業の採用意欲が高まり、常用雇用の増加につながったと考えられます。
雇用環境の改善が統計にも反映されている点は、注目しておきたいですね。
まとめ:調査結果の重要性
令和6年の毎月勤労統計調査からは、賃金が上がったように見えますが、物価上昇には追いついていないことが読み取れます。これらのデータは、政策決定や経済分析の重要な指標となります。
関連キーワード
- 毎月勤労統計調査 令和6年
- 現金給与総額
- パートタイム労働者比率
- 所定外労働時間
- 常用雇用増加率
- 日本の労働市場分析
- 「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r06/24cr/dl/pdf24cr.pdf)を加工して作成 ↩︎
