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令和5年度 就労条件総合調査【労働時間制度】解説
こんにちは!さくらもちです。
社労士試験の経験を活かし、一般常識に含まれる統計調査を分かりやすくお届けします。今回は「就労条件総合調査」1より、労働時間制度に関するポイントを解説します。

就労条件総合調査の概要

就労条件総合調査は、民間企業の就労条件を把握するための統計調査で、厚生労働省が実施しています。調査対象は、常用労働者30人以上の民営企業から無作為抽出した約6,400社で、有効回答率は58.7%でした。
労働時間制度の採用状況
特別休暇制度(企業割合)

- 特別休暇制度を導入している企業割合:55.0%
・最も多いのは「夏季休暇」。

特別休暇は法律で義務付けられた「法定休暇」とは異なり、企業が独自に設ける「法定外休暇」が含まれます。例として、夏季休暇やボランティア休暇があります。
変形労働時間制(企業割合)


- 採用企業割合:59.3%
・1年単位:31.5%
・1か月単位:24.0%
・フレックスタイム制:6.8%
変形労働時間制(労働者割合)


- 適用労働者割合:51.7%
・1か月単位:22.0%
・1年単位:18.7%
・フレックスタイム制:10.6%
変形労働時間制(企業割合と労働者割合の比較)





1年単位の変形労働時間制は、年間で業務量が変動する職種(例:建設業や人事部)に適しています。一方、1か月単位は月単位で業務繁忙期が異なる職種(例:経理や医療機関)で導入されることが多いです。
みなし労働時間制(企業割合)


- 採用企業割合:14.3%
・事業場外みなし労働時間制:12.4%
・専門業務型裁量労働制:2.1%
・企画業務型裁量労働制:0.4%
みなし労働時間制(労働者割合)


- 適用労働者割合:8.9%
・事業場外みなし労働時間制:7.6%
・専門業務型裁量労働制:1.1%
・企画業務型裁量労働制:0.2%
みなし労働時間制(企業割合と労働者割合の比較)





みなし労働時間制は、労働基準法で厳しい要件が設けられています。特に、事業場外みなし労働時間制は比較的導入が容易ですが、専門業務型や企画業務型になると労使協定や労使委員会での決議が必要になるため、導入率が低くなっています。
勤務間インターバル制度(企業割合)


- 導入企業割合:6.0%
勤務間インターバル制度(導入予定がない理由)


- 超過勤務の必要がないためが最多。



勤務間インターバル制度は努力義務のため、導入率が低い状況です。また、業務フローの見直しが必要になるため、企業が積極的に導入しにくい現状があります。
まとめ
- 変形労働時間制は6割の企業で採用されていますが、みなし労働時間制や勤務間インターバル制度は導入企業割合が低いです。
- 職種や業種によって採用割合が異なるため、適用対象を理解することが重要です。
社労士試験対策に役立つ統計解説を今後も発信していきます!
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- 「就労条件総合調査」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/23/dl/gaikyou.pdf)を加工して作成 ↩︎